さらさらの鼻水が出る
アレルギー性鼻炎
アレルゲン(アレルギー症状を引き起こす原因となる物質)を吸収することで、抗原と抗体が鼻の粘膜で反応し、鼻症状を起こすのがアレルギー性鼻炎です。
通年性
季節と関係なく一年中続きます。原因はほこりやダニです。鼻汁、鼻閉、くしゃみなどが起こります。
季節性
スギやヒノキ(春)、イネ科のカモガヤ(夏)、キク科のヨモギ、ブタクサ(秋)などの花粉が原因で起こります。鼻汁、鼻閉、くしゃみ、目のかゆみ、のどの症状などがあります。花粉の飛沫の2週間前から薬を内服すると症状が緩和されます。
治療
- 1.内服加療
- 症状に合わせ、抗ヒスタミン薬や点鼻ステロイド薬などを処方します。内服薬には色々な種類があります。自分に合うお薬を見つけることも必要です。
- 2.舌下免疫療法
- ダニ抗原や花粉エキスが含まれた薬を舌の下に滴下し、2週間かけて徐々に薬の量を増やしていきながら、数年間治療を続けます。当院でも行ってますので、ご興味のある方は気軽にご相談ください。
- 3.減感作療法
- アレルゲンエキスをうすい濃度で飛内に少量から注射し、徐々に増量していきます。当院では行っていません。
- 4.ゾレア皮下注による
抗IgE療法
- 従来の治療が効かない重症患者様に適応の治療です。採血検査や投薬歴などで投与可能かどうかの判断をして投与となります。投与期間はスギ花粉飛散時期2~5月の3か月間が目安となります。当院でも投薬可能ですので、ご興味のある方は気軽にご相談ください。
汚い鼻水が出る
副鼻腔炎
鼻には副鼻腔という空洞がいくつかあります。副鼻腔炎とは鼻の奥に感染することで副鼻腔に炎症が起きている状態のことです。主にウィルス感染に続く細菌感染によっておこる急性副鼻腔炎と、慢性の経過を示す慢性副鼻腔炎との2種類があります。
急性副鼻腔炎
主に細菌による先行するウイルス感染に続発して発症します。症状は、膿性鼻汁、後鼻漏、鼻閉が主な症状であり、頬部痛、前頭部痛、頭重感、歯痛、嗅覚障害などを訴えることもあります。抗生剤の投与での治療となります。
慢性副鼻腔炎
急性副鼻腔炎が完治せず、長期化したり、再発を繰り返し3か月以上、鼻閉、鼻汁、後鼻漏、咳が持続するものを言います。急性副鼻腔炎と違い症状は比較的穏やかですが、急激に症状が悪化する急性増悪という状態が起こすことがあります。
慢性副鼻腔炎には、一般的な菌の感染による副鼻腔炎、他、難治性の好酸球性副鼻腔炎など、また片側だけの場合は歯が原因であったり、真菌(カビ)による真菌性副鼻腔炎、腫瘍が隠れている場合があります。
一般的な菌の感染による慢性副鼻腔の場合、短期間での治療は困難で2~3か月間、マクロライド系の抗生剤の少量長期投与、ネブライザーなどの治療を行います。
※ネブライザー:鼻やのどの炎症を抑える薬剤を細かい霧状にして放出する器械です。口や鼻から吸入すると鼻の奥、のど、気管や肺に薬剤を送り込み、炎症を和らげることができます。
嗅覚障害
においの感覚に何らかの異常をきたします。鼻茸や鼻中隔湾曲症などといった鼻腔の形態異常や、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎といった分泌液の過多などによりにおいの分子が鼻の奥に届かなくなることが原因です。治療は原因の除去、点鼻薬の投与などですが、原因によっては改善しないこともあります。
鼻出血
鼻出血の約80%は、鼻の粘膜の入り口にあるキーセルバッハ部位と呼ばれる場所からです。キーセルバッハには細かい血管が集まっているので、ちょっとした刺激で出血します。鼻をかんだり、くしゃみなどの刺激、アレルギー性鼻炎や風邪などが原因となります。また血液をサラサラにするような薬の服用が原因となります。
多くは15分程度、鼻の入り口の柔らかい部分を強くつまみ続ければ止血することができます。鼻の奥からのどに流れ込んだ血液は、飲み込まず口から吐き出してください。
鼻の奥からの出血の場合は鼻の入り口を圧迫しても止血できません。このような場合には耳鼻科の受診をお勧めします。